最近、最高裁判所は、3件の特許案件に対して裁量上訴(サーシオレイライ)を認めたため、合計で6件の特許関連案件を検討することになります。
Alice Corporation Pty. Ltd. v. CLS Bank International
2013年5月10日、意見が2つに分かれた連邦巡回は、1段落に収めた判決を出しました。本判決は、地方裁判所の判決を確認するものであり、Aliceの特許のクレームは、35 U.S.C. §101に基づき特許適格性がある内容についてのものではないとしたものです。 対象特許は、金融取引実施用のコンピュータ化されたトレーディングプラットフォームに関するものです。本判決の裏付けをする多数派による意見書は執筆されていません。その代わり、裁判官からなる様々なグループは、コンピュータにより実施される発明について特許適格性があるかどうかを判断するための適切な基準についての6件の意見書を提出しました。
Aliceの訴状では、「システム、機械、プロセス、製造物に関するクレームを含むコンピュータにより実施される発明に関するクレームが、最高裁判所の解釈によると、35 U.S.C. § 101に基づき特許適格性がある内容に関するものであるかどうか」として質問が幅広く定義づけされています。本件について、2014年3月31日に口頭議論がなされる予定です。2013年5月24日付けスペシャルレポートでは、連邦巡回の判決に関する更に詳しい情報が掲載されています。 [コンピュータ実施発明の特許適格性の基準に関して一致した意見に至らなかった全裁判官出席の上での連邦巡回の判決 May 24, 2013].
Limelight Networks, Inc. v. Akamai Technologies, Inc.
2012年8月31日、(6対5で) 意見が2つに分かれていた連邦巡回は、35 U.S.C. §271(b)に基づく誘導侵害に関する新基準を採用するという全裁判官による判決を出しました。新基準では、従来と同様、侵害が認められるには、特許となった方法の全ステップは、1つ以上の事業体により実施されなければなりません。しかし、1つの事業体が、1つ以上のステップを実施し、別の事業体が、他のステップを実施する場合、事業体のグループは、35 U.S.C. §271(a)に基づき従来直接侵害責任に課せられたように、「単一の事業体」として実施する必要がありません(すなわち、被教唆者が、教唆者の代理人である、もしくは被教唆者の指示もしくは管理に基づき実施しているということを証明する必要がありません)。
最高裁判所が検討する問題点とは、「271(a)条に基づき直接侵害がなかったとしても、被告人は、35 U.S.C. § 271(b)に基づき特許侵害を誘導させたという責任に問われる可能性があるとした連邦巡回の判決は間違っていたかどうか」ということです。現時点では、口頭議論の日程は未定です。2012年9月14日付けスペシャルレポートでは、連邦巡回の判決に関する更に詳しい情報が掲載されています。 [複数の関係者に関する侵害についての連邦巡回による法改正, 2012年9月14日].
Nautilus, Inc. v. Biosig Instruments, Inc.
2013年4月26日、連邦巡回は、地方裁判所の判決を覆し、Biosigの特許の「クレームの文言、明細書、図面が、係争対象用語の範囲について当業者にとって充分明確である」ため、本特許は、解決できないほど曖昧なものではないとしました。裁量上訴(サーシオレイライ)の訴状において、Nautilusは、曖昧な特許クレームについての連邦巡回の寛容性は、「特許クレーム作成者に対して発明について混乱をもたらすような出願を作成するように促している」また「一般に通知するという機能を特許クレームから裁判所のクレームの解釈へと移行させた」と議論しました。
Nautilusからの質問とは、「曖昧さが裁判所により「解決できない」ものでない限り、複数の理屈に適った解釈を伴う曖昧な特許クレームの連邦巡回による受諾は、特定の明確な特許クレームを作成する必要があるという制定法による義務事項を無効にさせるものであるか」ということです。現時点では、口頭議論の日程は未定です。