2019年1月7日、USPTOは、「2019年度 – 特許適格性に関する改定版ガイドライン(2019 Revised Patent Subject Matter Eligibility Guidance)」を公表しました。従来と比べ、本ガイドラインでは、USPTOの審査官と関係担当者によるAlice事件に基づく分析の第一ステップ(USPTOのステップ2A)の適用方法に著しい変更が見られます。このステップでは、クレームが抽象概念に「関する(directed to)」ものであるかどうかを判断します。本改訂版ガイドラインは、過去の全てのガイドラインに代わるもので、過去、現在、今後提出の全出願に直ちに適用となります。概要によると、改訂版ガイドラインでは、ステップ2Aの分析が2つの部分に分けられています。
ステップ2Aの第一部分では、USPTOは、抽象概念とみなされるべき内容のカテゴリーを「数学的概念(mathematical concepts)」、「人間活動の特定の編成メソッド(certain methods of organizing human activity)」、「精神的プロセス(mental processes)」に限定しています。この第一部分での分析では、稀な場合を除き、クレームはステップ2Aの分析に基づき抽象概念に関するものでないため、これら3つのカテゴリーの1つにおける内容が記載されていないクレームには特許適格性があるとみなされます。
ステップ2Aの第二部分では、列挙されたこれら3つの抽象概念カテゴリーの1つにおける内容がクレームに記載されている場合、クレームに記載された抽象概念が、該抽象概念の「実用上の応用を含んで(integrated into a practical application)」いるかどうかを判断するためにクレーム全体を分析する必要があります。クレームに記載の抽象概念が、該抽象概念の「実用上の応用を含んで(integrated into a practical application)」いる場合、クレームは、抽象概念に「関する(directed to)」ものでないため、ステップ2Aに基づき特許適格性があるとみなされます。クレームに記載の抽象概念が、該抽象概念の「実用上の応用を含んで(integrated into a practical application)」いない場合のみ、この分析は、ステップ2Bに進むことになります。
改正後のステップ2Aのフレームワークは、「自然法則」と「自然現象」が記載されているクレームにも適用されます。しかし、USPTOは、これらのカテゴリーに該当する内容のタイプについて限定していません。